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旧車を購入したら、まず手を入れたいのがステアリングですよね。自分の目に触れるところ、手に触れるところですから、私なんかは、すぐに自分好みのものに交換してみたくなります。
私は過去何回かステアリング交換した経験はありますが、初めてという方もたくさんいらっしゃると思われます。そのような方に少しでも手助けになればとガイド的な交換記事を書いてみました。
旧車のステアリングをモトリタに交換してみました
今回は私のBMW2002にMotoLita(モトリタ)というイギリス製のステアリングを取り付けてみました。
もともとは英国車であるミニやMGあたりに装着されていることが多いので、それをBMWに付けるのはね…などと言われそうなものですが、それは趣味嗜好の世界ですのでご容赦くださいませ。
1. 交換パーツの準備
1-1. モトリタ製ステアリング本体
当然のようにウッドのステアリングを選択しました。昔、ミニに乗っていた時から憧れていたステアリングで、細めのウッドリムが特徴です(ナルディやMOMOと比べると一目瞭然です)。
今回はヤフオクにて20,000円で調達し(正直高かったです、1万円前半あたりで狙っていたのですが)、いつものリペア屋さんに塗り替えを依頼しました。
1-2. モトリタ純正ステアリングボス(BMW2002用)
何年も前にebayにてたまたま発見し、送料込み1万円程で購入しました。
1-3. ステアリングボス延長スペーサー&ロングボルト
モトリタ純正ステアリングボスだけだと長さが足りず、指がウインカーレバーやワイパーレバーに干渉してしまうため、延長のスペーサーをヤフオクにて購入しました。
延長スペーサーでボスが長くなった分、ボルトもロングボルトに交換ということに。
最初、ホームセンターで長さのちょうどいいボルトを購入したのですが、ボルトの頭が+だったため、どうしても雰囲気が良くありません。
結局は、ネットで探して「ビンテージスタイル」というボルトの頭がモトリタの純正同様にマイナスになっているものを購入しました。
1-4. ホーン配線キット
購入したモトリタにはホーンボタン用の端子が付いていませんでした(ナルディ用のボスなどには、ホーンボタンに接続する用の配線が標準で付いています)。
そこで、ネットを探索したところ、本国のMotoLitaにてホーンの配線が販売されているのを見つけられたため購入。
やれやれです。モトリタのステアリングを付けるのにどこまでお金がかかってしまうのでしょうか。
2. 交換作業の手順
2-0.車をタイヤがまっすぐな(ステアリングのセンターが出ている)状態で止めておいてください。
2-1. バッテリーのマイナス端子を外します
この作業を行わないと、交換作業中に配線が変なところに接触し、ホーンが鳴りっぱなしになるなどのトラブルに見舞われるので要注意です。
ちなみにBMW2002の場合、キーをONにしないかぎりホーンが鳴りません。
2-2. 元のステアリングを外します
今回は、ナルディからモトリタへの変更になりますので、ナルディのステアリングごとボスも取り外すことになります。
まずは、ステアリング中央のホーンボタンを、傷がつかないように丁寧に、爪かマイナスドライバーなどでコジコジして浮かせて外します。
ホーンボタンの裏側に配線が繋がってますので、それを取り外します。
続いて、車体とステアリングボスとを繋いでいるナットを緩めます。かなり固いはずです。ナットに合うソケットにT型のハンドルを組み合わせたりすると力が入りやすいと思います。
はぁはぁ言いながら、やっとのことでナットが緩みます。ただし、数回程度ナットを回した状態のままにして、ナットは取り外さないでください(事故防止のため)。
さて、これでステアリングごとボスが外せるはずですが、そうそう、うまい話はありません。手前に引いても、固着していてうんともすんとも動かないはずです。
そこで、ステアリングの裏側から手前にバンバンと手の平で叩いていくのです。このようにショックを与えることで徐々に固着状態から剝がしていくのです。
バンバン叩いていると、急にガコッとステアリングが外れてきます。
もう、お分かりかと思いますが、ここでナットのストッパーがないと、ステアリングが外れた拍子に、そのまま顔面を強打し、怪我をしてしまう危険性があるわけなんです。
これ、かなり痛いです。以前に経験あります。あまりの痛さに涙目になります。鼻血も出ました。くれぐれも、ナットを取り外して、ステアリングを外す作業をすることはお止めください。
2-3. モトリタのステアリング+ボス+延長スペーサーを装着
前のステアリングを取り外すことができたら、やっとモトリタウッドの登場です。
この時点で、ステアリングと+延長スペーサー+ボスはロングボルト&ナットで締め付けておき、車体のシャフトに差し込むだけの状態にしておいてください。
あ、ホーン用の配線キットは、ステアリングボスの穴にグイグイっと押し込んでおくだけでOKです。
モトリタの場合、ボスを先に取り付けた後に、ステアリングを装着しようとすると、ステアリングの裏側で9つのナットを締めなくてはならず、結構めんどくさいんです。
あとは、ステアリングのセンターに合わせて、ボス付きのステアリングを車体側のシャフトに差し込んだらナットをねじ込むだけなんですが、
念のため、車体側のシャフトにキャンセリングカム(リセットカム)というものが差し込まれているかどうか確認してください。
これが付いていないと、ウインカーレバーが自動的に戻らなくなります。
カムが無事についているのを確認できましたら、ナットを締めこんで完成です。厳密には指定のトルクなどあるかとは思いますが、ガタがなく、締めきった感があればよしとしています。
最後に、ホーンの配線をホーンボタンに差し込んで、ホーンをステアリングにはめ込めば完成です!
3. 交換後のトラブル
早速、試乗したところ、思ったよりも細身のウッドが手になじみ、見た目のクラシカルさもあいまって、超ご機嫌でルンルンになりました。
しばらく走行したのち、人気(車気)のいないとろを見計らってホーンの試し打ちです。
軽めに押したら鳴りませんでした。続いて少し強めに押しても鳴りません。何度も何度も押しましたが、そのたびにガシュガシュとホーン裏のスプリングが鳴り響くだけでした。
わざわざ購入したホーン用の配線キットが原因か?
駐車場に戻り原因究明です。ホーンボタンを取り外そうとしたところ、ステアリングにがっつり嵌まり込んでいるため取り外せませんでした。
結局、9つのナットをキコキコ緩めてステアリングを取り外すはめになりました。ほんとにめんどくさい作業です。
さあ、気を取り直して調査開始です。
エンジンキーをオンにして、配線にテスターを当てたところ、ホーン用の配線に電気は通ってましたたが、そこから延長されている配線にはテスターが無反応。
ん?これって、ホーンボタンまでの延長用に自作した配線(10cmほどの配線の両端に端子を接続したもの)が接触不良ってこと?
延長した配線をチェックすると、両端の端子がゆるゆるで配線に食い込んでいませんでした。これでは電気は通りません。
あらためて端子をカシメ直して、テスターで電気が通っていることを確認。今度はテスターのライトがピカッと光りました。
またまた、めんどくさい9つのナットを締めてステアリングを装着。
再度、試運転へ出発です。車が周囲にいないのを確認して、おそるおそるホーンボタンを押したところ、今度は心地よいBOSCHサウンドが鳴り響きました。やりました!
最後にちょっと余談ですが、以前のナルディのステアリングの場合、ホーンを鳴らすと、オーディオのスピーカーにノイズが出たのですが、今回のモトリタはノーノイズでした。
なにか、ステアリングボスのアースが影響しているのかもしれません。
以上、今回はBMW2002にモトリタを装着するという特殊な事例でしたので、あまり参考にはならなかったかもしれませんが、参考になるところも少しだけあると思いますので、参考にしてください。