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旧車の夏対策をいくつかご紹介します
旧車好きにとって、夏は鬼門です。冬眠もとい夏眠の時期とも言われています。
熱いさなか、クーラーレスの旧車を運転すると、汗でズボンがグショグショになります(何度か経験したことがありますが)。これでは人間が先にくたばってしまいます。
渋滞にはまれば水温がみるみる上昇していきます。オーバーヒートしたらどうしようと恐怖と不安で震えが止まりません。
また、キャブレター車の場合はパーコレーションというガソリンが気化して気泡状になってしまうトラブルもあります。
私のBMW2002は機械式のインジェクションですが、それでも、渋滞にはまったりすると、エンジンがグズグズいったりします。
さらに、夏場は暑いからと何か月か乗らないでいるとバッテリー上がりなんてことも。
この記事では、旧車で夏を乗り越えたい方向けに、BMW2002を例に対策をまとめてみました。
オーバーヒート対策
まず、現代車と比べると旧車はどうしてもオーバーヒートしやすいのは否めません。旧車あるあるで、オーバーヒートして、水蒸気がヴウァーと噴きあがるシーンが目に浮かびます。
とはいえ、まったく防ぎようがないわけではなく、いくつか対策できることはあります。
1.クーラーント液の量を確認
これは対策というより予防ですね。
旧車に乗る方なら当たり前かもしれませんが、現行車しか知らない方や、メンテナンスを人任せにしている方は、ぜひ、ご覧になってください。
まずは、エンジンが冷えているときに、ボンネットを開けて、エンジンルームを覗きます。車体の先頭側に付いている黒いラジエーターからラジエーターキャップを回して取り外します。
エンジンが温まっているときにキャップを開けると、ブシャーとクーラント液が噴き出してきて、火傷を負ってしまいますので、くれぐれもご注意ください。
そして、ラジエーターキャップの中を覗いてクーラント液の量を確認します。
クーラーント液が減っているようでしたら、ラジエーターキャップ口の下面くらいまでクーラント液を補充してください。
このときに、ラジエーターキャップの裏側を必ずチェックしてください。クーラント液が漏れないようにパッキンが付いているのですが、これが痛んでないかどうか確認してください。
先日、私のBMW2002に付いているキャップを見たところ、裏のパッキンがボロボロでした。こんな状態ですから、クーラント液はそこそこ漏れて(蒸発して)いたと思われます。
すぐにネットで合いそうなサイズを探して交換しました。これ以降、心なしか水温の上がり方(冷却時→針が真ん中になるまで)が早くなったような気がします。
2.電動ファンを追加で設置する
BMW2002を購入して夏を迎える前に、電動ファンを追加しました。転ばぬ先の杖といいますか、付いているだけで安心できそうな感じがしまして。
ただ、実際に使用したのはこの10年で10回いくかいかないかくらいです。
渋滞にはまって水温が上昇しても、少しでも走行できれば水温は徐々に下がっていきます。このように、電動ファンのスイッチをオンするまでには至らないことが多いんです。
また、BMW2002の場合、渋滞時にアクセルを空ぶかしすれば、エンジンについているファンも回るので、少なからず冷却効果が見込めます。
それでも、電動ファンがあってよかったのは間違いありません。中央道上り談合坂を先頭にした何十キロ渋滞、また、青梅街道で事故大渋滞のときもありました。
そんなときに、ステアリング下に付いているスイッチをピシッと弾くと、フィーーーーンという電動ファンの音が聞こえてくるのです。
この羽音が私の不安な気持ちを安らかにしてくれます。
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3.ラジエーター周りのリフレッシュ
そもそも、ラジエーターの性能自体が劣化していては対策しても意味がありません。錆ついていたり、詰まったりしていると冷却機能は格段に下がります。
私は、BMW2002を購入後に、信頼できる工場で、ラジエーターをチェックしてもらい、さらにコア増しという冷却効果を上げる作業もしていただきました。
同時に、ホースが劣化していると水漏れのもとですので、冷却系のホース類も一新しました。
バッテリー上がり対策
私の場合は、夏場でも夕方や夜間にドライブしたりしているので、1カ月以上乗らないってことはないのですが、なかには夏眠状態の旧車も多いかと思います。
そんなときに怖いのがバッテリー上がりです。
夏も終わり、秋になりかけのころ、旧車にとっては絶好のシーズン到来です。それなのに、ツーリング当日にエンジンがかからないなんてシャレになりません。
そうならないために、バッテリーのマイナス端子を外しておく、またはバッテリーキルスイッチを使用するなどの対策があります。
バッテリーのマイナス端子を毎回外すのが手間でしたら、一度キルスイッチを取り付ければいいのですが、中には誤作動を起こしてしまう代物がありましたでのでお気を付けください。
誤作動を起こすと、走行していても、その後、エンジンがかからなくなったりします(仲間内で同じキルスイッチを使っていて同じ症状が出ていました)。
旧車に乗るドライバーの夏対策
夏は旧車に乗らないにこしたことはないのですが、いつでも愛車に触れていたいものですよね。気休め程度ですが、以下ご参照ください。
0.基本は夕方以降に乗るのがよろしいかと。
1.飲料の用意は必須。あとは、凍った飲料や保冷剤をクーラーボックスに入れて持っていく。熱くなったら首などに当てて冷していく。
2.半袖、半ズボンだと、太陽からの熱視線を直接浴びてしまい、非常にバテてしまいます。薄手の長ズボン、薄手のはおり物を用意しておく。あと、バスタオルを肩からかけるなどしてもOK。
3.強烈なアイス系の汗拭きシート(大判タイプ)で、ひとときのひんやり気分を堪能する
4.最後に、よく夏場特集で取り上げられる、扇風機や冷風機の類は、灼熱の炎天下では一切役に立ちません。