BMW2002のマニュアルミッション。やはり、クセあり。

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BMW2002のマニュアルミッション

BMW2002をマニュアルミッションで運転する際に、どんなことに気をつけなければいけないのか?やはり、40数年前の車ですので一筋縄ではいきません。

まずは、知識編として車速の計算方法。実践編としてはMTを運転する際に気をつけることを、私自身の体験をもとにレビューしてみました。

BMW2002のマニュアルミッション(知識編)

BMW2002は計算上どれくらいスピードが出るのでしょうか。

BMW2002のマニュアルミッションは4速が標準で、5速がオプションで存在していました。私の1975年式BMW2002tiiは4速ミッションを搭載しています。

4速M/Tのギアレシオは、1速3.764 2速2.020 3速1.320 4速1.000。ファイナルは3.640です。

なんのこっちゃとお思いの方もいるかとは思いますが、ギアレシオとはミッションに組み込まれている歯車の比率を言います。

ますます分からないという方は、これが分かると車速を計算できるとだけ覚えておきましょう。

では、車速を導き出す計算式にBMW2002をあてはめてみます。

車速 =(タイヤの外周長×エンジン回転数)÷(ギアレシオ×最終減速比)×(60÷106)

条件 私のBMW2002tiiは、「175」がタイヤ幅、「70」が扁平率、「13」インチです。
4速6400回転まで回したときの車速を計算してみます。

エクセルで計算するときには下記式をご参照下さい。

= (175*0.7*2+13*25.4)*PI()*6400/3.64*60/10^6

= 190.6332231 km/h

ということで4速6400回転まで回した際の最高速は190.633・・・km/hという計算結果となりました。

回したことはないので想像ですが、4速で6000回転まではなかなか回らないんじゃないかと。実際に190km/hも出せるのかな?(カタログ値を確認したところ、190km/hとなっていました)

※3速3000回転の車速を知りたい場合、上記式の6400→3000に変更、ギアレシオを1.000→1.320に変更して計算すると導かれます。タイヤサイズが違う場合は、そちらも修正してみてください。

BMW2002のマニュアルミッション(実践編)

この項では、実際にBMW2002のマニュアルミッションを運転してみて、どういうところに気をつけなければならないのかなどを、インプレッションしてみたいと思います。

AT車と違い、マニュアルミッション車の運転は手足(と頭の中)が忙しいです。ボケーっとした運転はできません。

さらに、お利口さんな現行車と違い、40年以上前のマニュアル車は、構造の古さと経年により、色々と気を使って運転しなければなりません。

とにかく、クラッチを踏んですぐにシフトを入れてはいけない。クラッチを踏んで一呼吸、そして、「入れていいですか~?」とお伺いを立てながら、そろそろと1速に入れます。

このように丁寧な操作をしないと、クラッチ踏む、スパッと1速に入れる、「ガリガリガリッ!!!」という異音がして、イヤ~な気分になります。

無事に1速に入りました。シフトの感触はカチっとしていません。1速に入れた後でも、グラグラと左右に2~3cmほどの遊びがあります。

クラッチをジワぁっと離して、徐々にアクセルを踏み込んでいきます。2000~3000回転の間で2速にシフトアップ!といきたいところですが、

ここも注意が必要です。仲間内の会話でも「2速が入りづらい」という話が時々出ます。構造上のことは良く分かりませんが、マニュアルは2速からヘタって来る傾向にあるようです。

ということで、1速から2速へのシフトアップもコツがあります。クラッチを踏み込む、ここでも一呼吸入れて、シフトを1速から2速に向けて下げる。

それでも、2速に入れる際、スッとは入らずに、引っ掛かりを感じます(これが「2速に入りずらい」といわれる現象です)。

私の場合は、ここでクラッチを踏みながら軽くアクセルを煽ります。すると、閉ざされた2速への入口が開き、シフトが2速に吸い込まれていくのです。

ただ、これって本当に意味がある動作かどうか分かりません。アクセルを煽らなくても2速には入りますし、アクセルを煽ると、何となく入りやすく感じてるだけなのかもしれません。

めでたく2速に入りましたら、アクセルを踏み込み、気持ちのいい回転域へ。私的には3000~4000回転あたりへの盛り上がりがお気に入り。

2速→3速はあまり気にすることはありません。強いて言えば、シフトを2速から3速に入れるとき軽~い引っ掛かりを感じるくらいです。

BMW2002は高回転まで回せるようなエンジンではありません。3速4~5000回転あたりではトルク感のあるフィーリングを楽しめることでしょう。

3速から4速についてはスムーズです。クラッチ踏む、一呼吸、4速に入れる。

ちなみにバックは、シフトレバーを左に思い切りガコっと倒し上に入れる、です。1速の左隣にバックがあるイメージですね。

と、こうして書き連ねると、旧い車の運転って面倒くさそーとか、そんなこと気にして運転なんてできるの?とか、色々とネガティブな感想が出てくると思います。

そうなんです。面倒くさいし、大変だし、気を使うし、現行車のAT運転に慣れた方には苦行にすら思えることでしょう。

でもね、そこがいいんですよ。理解してくれなくてもいいんです。

1975年式のBMW2002をマニュアルミッションで乗る。あらゆる操作に気を配り、その車のコツを把握し、そういった車をスムーズに乗りこなせることに喜びを感じる。

完全なる自己満足の世界ですが、私にとっては最高のひと時。無駄で不必要なことって楽しいんですよね~。

→BMW2002をドライブする楽しさを知りたい方はコチラ

2002guide

この記事を書いた人

2015年の春に1975年式BMW2002tii(ベロナレッド)を購入。

関東近県を中心に活動するBMW2002などクラシックBMWのクラブに参加。クラブ活動として、年数回のツーリングを楽しんでいます。

今までに修理してもらったり、弄ってもらったりしたところは、エンジン(載せ換え)、足回りの変更、点火系強化、オールペイントなどなど。

週に何回かは通勤などでも使用して、BMW2002ライフを楽しんでいます。

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