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旧車の乗り方と運転のコツについてお知りになりたい方。私のBMW2002を例に旧車を運転するってどんな感じなのか書いてみました。
ただし、私は走り屋さんでも、飛ばし屋さんでもありません。普通のドライバーが、普通にそこら辺りをちょい乗りしたインプレッション、ということでお楽しみいただければと思います。
旧車の乗り方と運転のコツをお伝えします
BMW2002に乗り込むまで
BMW2002には三種類のキーが存在します。ドア&イグニッションキー、トランクキー、ガソリンキャップ用キー。
ドアキーをドアに挿し込む。やや入りがシブい。そして、キーを回しても、カチっという感触ではなく、グニャっとロックが解除。毎度のことながら、なんかが引っかかっている感じ。
ドアのプッシュボタンを押して、ドアを開ける。BMW2002はドアが段階的に開く機構になっているのですが、これがイカれていると、ドアが一気に開ききってしまうので注意が必要。
シートに乗り込み、ドアをバスンっと閉めます。ドアのキャッチ部分の調整がいまひとつなので、ちょっと強めにドアを閉めないと、半開きの状態になってしまうんです。
エンジンをかける儀式
イグニッションにキーを挿し込む。キーをONに回してエンジンをかける。と、行きたいところなんですが、ちょっとお待ちを。
BMW2002tiiには「コールドスタートリレー」という電子部品(冷感時にエンジンがかかりやすいように、ガソリンを多めに噴出するもの)が付いています。
実は、私のBMW2002tiiにはこのパーツが付いていません。そのままキーを回しても、エンジンがかからない(正確にはかかりづらい)のです。
そこで、ステアリング下側に後付けした赤いプッシュボタンの出番。これはリレーの代わりに、ガソリンをピュっと噴射するためのボタン(キャブ車のチョークみたいなもの)。
この赤いボタンを押しながら、キーを回す。ゆっくり5秒ほど数えると、エンジンがブロロウンっと目覚める。
「今日もやった!」旧車の場合、現行車と違って、エンジンが順調にかかるだけで、とっても嬉しいものです。
ステアリングはやっぱり重いのでしょうか?
私のステアリングは純正品ではなく、PERSONAL社のMONZA、35φのウッドステアリング。純正よりも小径にはなります。
肝心のステアリングはというと、現代のパワステと比べれば重いですけど、慣れればさほど重くは感じません。
さすがに、車を停車させた状態でハンドルを動かす据え切りは厳しいですが、動きながらであれば全く問題なし。
ただし、これはタイヤサイズが多分に影響します。私のBMW2002はホイールが13インチで、タイヤサイズは175の70。このくらいなら重いということはないでしょう。
ステアリングの遊びはそこそこ。感覚で言わせていただくと、2~3cmほど(ちなみに、仲間のBMW2002は、ステアリングギアボックスのガタにより数cmの遊びありです)。
さあ、今日も頼むよ、マルニ君
少々ラフなアイドリングで目覚めたBMW2002。本当は落ち着くまで暖気をしたいところですが、ここは住宅街の駐車場。周りの目もあるので、早めに場所を移動しませんとね。
クラッチはほとんど抵抗を感じずスッと踏み込めます(最近、ポルシェ914を運転する機会があったんですが、あのクラッチ重かったですね~)。
クラッチを踏み込んだら、まずは一呼吸。そして、シフトレバーを一速へ。丁寧に、丁寧に、ソロソロと。
遊びが大きめのシフトゲートにレバーが入り、クラッチをジワリと離していくと、私のBMW2002は、軽快に、前に進んでいきます。
まだ、エンジンが冷えているので、すぐに二速にシフトチェンジ。そのまま二速2000回転あたりをアクセルワークでキープ。
街中でもBMWの走りを感じさせて
数分経ち、大きめの通りに出るころには、水温計の針がススっと動き出してくれている。
信号待ちの最後尾につく。信号が青に変わる。クラッチを踏み、シフトを一速に。クラッチをゆっくりと離しつつ、ちょい重めのオルガン式アクセルペダルをグバァ~と踏み込んでいく。
一速ではそんなに回さず、3000回転あたりで二速にシフトチェンジ。またも、アクセルペダルを踏み込む。ジワ、ジワ、ジワワと踏み込む。
あっという間に、4000回転オーバー。
エンジン音と、マフラーの音、そして、雰囲気が相まって、実測以上の体感速度を味あわせてくれる。うん、今日も気持ちいい~。
BMW2002のエンジンは高回転まで回すようなものではないと教わりました。
国産の高性能ツインカムなどだとカーン、カーンと、8000回転まであっという間ですが、BMW2002tiiの美味しいところは、適度なトルクでパワーモリモリの4000~5000回転あたり。
6000回転以上回せることは回せますが、5500回転を超えると、もはや無理やり回しているような感じ。パワー感もなく、惰性でしかありません。
もっと上の回転まで楽しみたいなら、ハイカムシャフトを入れるっていう手もあるみたいですが、いまのところ、私には必要ないかな。
そんなこんなで、前の信号が黄色から赤に。アクセルを緩め、軽くエンブレをかける。回転が落ちかけたところで、アクセルをヴォンと煽り、二速にシフトダウンする。
これがうまく決まると、やっぱり車はやっぱりマニュアルにかぎるぜ!!などと鼻息が荒くなってしまいます。
(とは言っても、これは「ヒール&トウ」や「ダブルクラッチ」などという高等テクニックとは別物。ただ、たんにアクセルを煽ってシフトダウンしているだけです・・・)
このように、街中ではおもに二速⇔三速を使って、BMW2002の運転を堪能しています。
BMW2002で夜の首都高ドライブ
BMW2002には、日中乗るより、夜に乗ることが多いですね。会社から帰って、夜10時ころに、ふとドライブしたくなるなんてことがありまして。
BMW2002に乗ると、まずは、iphoneの中からお気に入りのアルバムを探し、オーディオのbluetoothに接続。
そして、リアのスピーカーから流れる80年代の歌謡曲などを聞きながら、あてもなく都内をゆっくり回遊。
気が向けば、新宿方面に足を延ばし、首都高速に乗ることも。ルーレット族ではないので、軽~く回って、東京タワーやレインボーブリッジを眺めたりと。
なーんも考えずに、好きな車で好きな音楽を聴く。これ、自分の中では、結構いいストレス解消になってますね。
BMW2002だからこそ、こういう気軽な使い方ができるような気がします。これが、MGだ、アルファだ、ナローポルシェだーとなると、ちょっと乗るまでに気負ってしまいそうな・・・。
そういう意味で言えば、BMW2002は、ちょっとしたときにも付き合ってくれる、気が置けない友達みたいなもの。
だから、気負わずに、長~く付き合えるのかもしれません。
以上。BMW2002をドライブする。ちょい乗りインプレッションでした。